有川浩の「県庁おもてなし課」。
有川浩は「図書館戦争」シリーズをはじめ、かなり読んだ。好きな作家の一人だ。
熱心なファンが多くいる一方で、嫌う人も多い作家だと思う。俺はどちらかというと前者だけど、どちらの気持ちもよくわかる。
まあワンパターンだしご都合主義だし、はっきり言って結構イタい。セリフまわしなんかもクサいし、悪く言えば自分に酔ってる感のある文章でもある。良くも悪くもマンガ的で、「結局少女マンガ的恋愛書きたいだけでしょ?」という印象もぬぐえない。
嫌いな人は上に書いたような部分が受け付けないんだろう。一方、好きな人はそれ込みで好きなんだろう。だから賛否あるのはしょーがない。
俺は好きだ。
でも、「県庁おもてなし課」はそういった有川浩の悪いほうのイメージがやや強かったような気がする。久しぶりに読んだからかもしれないけど。
恋愛部分はいつもの感じでやっぱりよかった。それ以外の本筋ストーリーも面白くないわけではなかったけど、なんていうか「私は『社会』をよくわかってますよ」的な自意識が透けて見えるというか、説教くさい感じがちょっとうーん……。
楽しく読めたんだけどね。
なんでこんなにネガティブな感想になってるんだろう。
まあ、有川浩の中ではそんなにおすすめできるほうではないかな、という感じ。読んだことない人は図書館戦争か海の底でも読んどけ。
頭を使わずにさっと楽しく読みたいときは、やっぱり有川浩はいいですね。
関係ないけど、恋愛小説における個人的ナンバーワンは「恋文の技術」です。森見登美彦。
以上。