最近の山記録その2。たぶん長いです。
南アルプスは白峰三山の一泊二日縦走に行ってきました。
初めての縦走登山でした。というか、一人での本格的な登山自体初めて。今年の夏に絶対やりたくて、8月中に無理くり予定作って行きました。犠牲になったのは研究。南無三。
一日目
奈良田駐車場まで車で行き、バスで広河原へ運ばれ、北岳・間ノ岳・農鳥岳の白峰三山をずーっと縦走して奈良田まで帰ってくるルート。一般的なルートです。
朝4時起きで出発。しかし渋滞やらに阻まれ、奈良田についたのはバス発車の5分前。あぶねえ。バス乗れなかったら帰るしかなくなってた。
広河原で下車。トイレなど準備を済ませる。そして、
いざ。バス降りてから登り始めるまでに30分くらいかかってしまった。到着が遅れたのが敗因。
吊橋を渡っていざ登山道へ。
快調にどんどん登る。トイレで出遅れた分を取り戻すため、先を行く登山客をぐいぐい抜いていく。老夫婦を抜いた直後に迷いかかって立ち止まったのはダサかった。
川。風情があって大変よいですね。
休憩。振り返ると山がわずかにのぞく。楽しい。
かなりの急斜面をひたすら登っていく。ヒイヒイ言いながら登ってるときが一番生きてるって感じがする。登り大好き。下りと違って頭も大して使わないしケガもしないのがいいですよね。
白峰御池小屋。きれいな小屋でした。
池。ほとりにテントを張れるらしい。なかなかそそられるけど、この日の目的地はまだはるか先。5分ほど休憩して出発。
「草すべり」と呼ばれる、稜線まで続く強烈な急登を進む。
池がもうあんなに下に。
この草すべりがなげえなげえ。永久に草すべっちゃってる。傾斜が変わって先が見えなくなってるところが全部稜線に見えて、「あそこが稜線か」「まだ草すべりやんけ」を何度もやった。生を実感すること1時間弱。
やったー
標高3000m付近の尾根線は最高。テンション上がって走っちゃう。
ここからはひたすら稜線を縦走していくだけだから一生楽しい。
うっひゃあ。
雷鳥がいた。全然うまく撮れねえ。
いやもうなんなん?(最高)
ここをずーっと走っていける。幸福。
日本って山ばっかだなあ。
こういうピークに萌える。
いい天気。
北岳肩の小屋に12時15分頃到着。ここが標高3000mらしい。よく登った。軽く休憩して、登山客のおじさんとおしゃべりした。
肩の小屋を振り返って一枚。ここからは北岳山頂目指して登る。
ガレてきた。山頂目指して登ると言っても、小さな(小さくない)アップダウンが続く。岩場なのも手伝ってペースが上がらない。
北岳の向こう側に北岳山荘がちらっと見えた。今日は最低でもあそこまで行きたい。
人がいっぱいいる。あれか?そして、
いぇーい。日本第二位の男。
登り始めて3時間弱で着いたので、案外コンビニエンスですね。コンビニエンスなくせに日本第二位だからコスパがいい。
ここからは待ちに待った下り。登りは大好きだけど2000mくらい登るとさすがに疲れる。
こういう景色ばかりなので感覚が麻痺してくる。こうやって見ると稜線めっちゃ尖ってるな。
赤い屋根が北岳山荘。目標が見えると元気が出る。走って下っていく。
もうちょっと。
もうちょっと。
まだ?
到着!この時点で13時半くらい。
北岳山荘に泊まるプランもあったんだけど、さすがにまだ休むには早い気がしたので、間ノ岳を越えて農鳥小屋まで行くことに。農鳥小屋は到着が15時を過ぎると小屋主のおじさんに怒られるらしいので、なんとかそれまでに着きたい。
しばらく登って、振り返って撮った写真。個人的ベストショット。
ここからは、間ノ岳まで長い長い尾根走り。
また雷鳥。案外ウヨウヨいる。
なんか山頂っぽい
中白峰山でした。北岳〜間ノ岳の中間くらい。
北岳を越えてから人が一気に少なくなった。北岳まで登って帰る人、北岳山荘に泊まる人が多いのかな。独り占め気分で気持ちいいけど、あんまり人に会わないのもちょっとこたえる。
ちょっと雰囲気変わってきた?でも相変わらず美しい。
横の斜面もきれいすぎる。出てくるたびに撮ってたからこんな写真が無限にある。
あれが間ノ岳か?正直すでに違う気はしてる。
「間ノ岳←→北岳」
なんやねん。知ってるけど。
間ノ岳までは手前に名も無きピークがたくさんあってかなり削られた。このあたりではもうかなりバテバテ。休み休み進む。
あれであってくれ…。
やったぜ。日本第三位の男。
間ノ岳山頂はかなり平らで、広々とした感じ。
一番左の尾根が、農鳥へ続く尾根線。間違えないように注意。
農鳥小屋がちらっと見えた!しかし、間ノ岳に思ったより時間がかかったせいで、この時点でほとんど15時。15時到着は諦めた。
疲れた体も、下りなら動く。テンポよく走っていく。そして、
農鳥小屋到着&テント設営完了!到着は15時15分くらいになったので若干怒られた。小屋の主人は小屋に向かってくる登山者を見ているらしく、「そんなぴょんぴょん走ったら危ねえよ」とも言われた。仰るとおりである。でも、一応危なくない範囲で走ってるつもりなんです。ごめん。トレイルランニングに良いイメージを持たない人も多いのだなと実感した。
荷物整理して、水場まで往復して(結構遠かった)、16時過ぎにはもうコレになった。
これが最高ということですよ pic.twitter.com/3JGbqKanuw
— muno@本と山 (@muno_blog) August 29, 2018
わかる。
カップ麺とアルファ米食って、コーヒー飲みながら本読んで。周りは全部絶景。これが人生。
富士山。写真は微妙だけど結構よく見えた。
日暮れ近くまでテントの外でダラダラ。こういうのを求めてたんだよ。
日が暮れてからはテントに入ってやっぱりダラダラ。『宵山万華鏡』を読んだり、考え事したり。
テント場からは甲府の夜景が見える。
日が暮れたあたりから雲が増えてきて、星空が全く見えなかったことだけが残念。
一日目終了。
二日目
朝5時起床。
絶景である。マジ?
テントを片付けて、6時に出発。慣れてないので時間がかかった。
登山道もこんなん。風もかなり強い。割と怖かった。
この霧でこの道は怖いって。ビビりながら慎重に進む。
良い尾根線。でも風にさらされて厳しい。
西農鳥岳に到着。出発から30分ちょい。あっという間だった。完全にガスってるので景色もクソもなく、すぐに農鳥岳へ歩き始める。
落ちたら死にそう。全体的に北岳・間ノ岳周辺よりガレてる感じ。霧、風、岩に苦しみながら更に30分ほど歩き、
農鳥岳。やっぱり何も見えない。ひとまず、白峰三山はこれで制覇。あとは降りるだけ。
農鳥岳からは、稜線を外れて進んでいく。
低地に降りてきた。いい道ですね。
ようやく走れる道になってきた。テンションもスピードも上がる。ブチ上がって走ってたら、
いきなり晴れてきた。下ってきたことで雲を抜けたらしい。
平らで美しい最高エリアを経由して、
大門沢降下点に到着。わかりやすい。
神秘的。
大門沢降下点からは完全に稜線から外れ、2000mの急斜面一気下り。序盤は低木林の中のつづら折り。
結構いい感じの写真じゃないですか?
久しぶりの長い下りに体が喜んでる。楽しいのは一瞬で、すぐ足が終了するんだけど。
40分くらいで河原にで出た。ここからしばらくはこの川沿いを行くことになる。
すげえ斜面だ。
コースタイムの半分を目安に下っていく。早めに下山したいので、ちょっと頑張るくらいなペース。足がゴリゴリ削られていく。
こんな感じの川を何回か切った。若干ビビるけど、川を着切るポイントは地図上で位置を確定できるのでありがたい。
大門沢小屋の近くまで下ってくると、美林が現れた。森林限界より上の異世界感もいいけど、きれいな樹林帯も気持ちいい。
大門沢小屋で10分ほど休憩。8時半くらい。10時までに下山したかったけど、ちょっと無理そう。
本当にきれいな森だった。このあたりまで来ると傾斜もやや緩くなってきて、なかなか走りやすい。ただとにかく長い。
10時ごろ、吊橋に到着。かなり揺れて怖かった。この吊橋を越えて少し行くと、山道は終わり、舗装路が始まる。この舗装路の下りで、一気に足がやられた。アスファルトは固いからダメ。元気なら15分くらいで行けそうな距離を、30分近くかけてえっちらおっちら走る。
10時半に下山完了。写真はなし。何か撮っておけばよかった。
奈良田の里温泉で入浴。美人の湯として有名な温泉らしい。ぬるめの湯が心地よかった。奈良田に下山したら絶対に入るべき。
感想
本当に楽しかったです。初心者の初縦走としてはちょうどいい山だったと思います。登りやすいし、山小屋も多いし、景色も素晴らしいし、日本の標高第二位と第三位を取れるし。
一人登山もいいものです。何より気楽。好きなように走って好きなように休める。ただ寂しさもちょっとあって、下ってる間はずっと独り言しゃべってた。
2泊3日が推奨されるルートらしいけど、半分トレランくらいの気持ちで行ったら2日目朝には下山できた。登山はスピードが重要。色々な人に怒られそうな発言だけど。
というわけで、最高の登山でした。
詳細な記録が見たい人はヤマケイオンラインの登山記録をどうぞ。