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炊飯ジャーにおける非無洗米の無洗炊飯に関する研究

1. 序論

近年、炊飯前の洗米行程を必要としない無洗米が広く流通し、米を研がずに炊くことも当たり前になりつつある。一方で、無洗米でない通常の米(精白米)も未だ根強いシェアを持ち、洗米が必要であるという面倒さを考慮に入れても精白米を購入する層が多く存在することが伺える。

筆者の家庭では恒常的に無洗米を購入しており、したがって一人暮らしの開始以降も無洗米を利用していた。しかし先日、5kgの精白米を知人より譲り受け、洗米行程を踏んでの炊飯を余儀なくされるようになった。

そこで、兼ねてより呈されてきた「精白米は本当に研ぐ必要があるのか?」という疑義を検証したのでここに報告する。

 

2. 先行研究

無洗米と精白米の特性比較は古くより行われている。[1]では官能評価と成分評価による比較を行い、無洗米は白さ、透明感、つやにおいて有意に高評価を獲得し、嗜好性(おいしさ)については有意差は見られなかったとされている。一方、[2]では同様の評価を貯蔵期間による変化に注目して行い、無洗米は貯蔵以前から白さ、透明感、つやにおいて有意に精白米に劣り、貯蔵5か月を過ぎると香り、味も劣るようになったと報告されている。

一方で、精白米の無洗炊飯に関する信頼に足る研究は少なく、発見できなかった。インターネット上では「まだ米研ぎで消耗しているの?」系の情報が散見されたが、信頼できないので無視することとする。

 

3. 実験方法

3.1. 試料および試料調製方法

精白米を洗米を行わずに炊飯した。

使用した米の銘柄は、袋を捨ててしまったため確認できなかった。また、炊飯に使用した炊飯ジャーは、TIGERのなんか四角いやつである。中古で購入した。

今回は、2合の米を釜に投入し、図1に示すように通常通り「2」の線まで注水して炊飯した。この際、洗米動作および水の交換は一切行わなかった。生活習慣の問題から、約5時間半後に炊飯が完了するよう、タイマー機能を用いた。

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図1 炊飯前の米

3.2. 官能評価

官能評価は、20歳代男性1人(私)を対象とした。評価項目は、「おいしさ」の1項目である。

 

4. 実験結果

普通においしかった。

図2に炊き上がった米飯を示す。

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図2 おいしいご飯

5. 考察

別に研がなくてもいいのではないか。

 

6. 結論と今後の展望

本研究では、精白米の無洗炊飯に関する検討をおこなった。官能評価の結果、無洗米の無洗炊飯及び精白米の既洗炊飯における米飯との間に嗜好性の有意差は見られず、精白米を研がずに炊飯してもよい可能性が示された。

一方で、今回の実験では実験者と評価者が同一であるため、何を食べているのか評価者が知っているという致命的な問題があった。また、サンプル数の少なさも深刻である。したがって、無洗精白米飯、既洗精白米飯、無洗米飯を、どれがどれかわからないようにした上でより多くの評価者を対象に官能評価をおこなう必要があると考えられる。

 

7. 参考文献

[1]渡辺智子; 広瀬理恵子; 安井明美. 無洗米とその米飯の成分挙動および嗜好性. 日本食品科学工学会誌, 1999, 46.11: 731-738.

[2]貝沼やす子, et al. 無洗米の嗜好的および物理化学的特性の貯蔵に伴う変化. 日本調理科学会誌, 2003, 36.1: 8-16.