東大生の読書記録

理系東大院生の読書日記とそのほかいろいろ

僕の挫折と、逃げると逃げグセがつく話

大学に入るまで、いわゆる「学生の本分」と呼ばれる分野で挫折したことがありませんでした。

 

授業さえ聞いていれば勉強はできたし、期末テストの前にちょっと勉強すればクラスでも学年でもトップクラスでした。幸いにも勉強は得意分野で、常に頭がいいと言われるほうでした。

もちろん小さな失敗やなんかはあったけれど、自信が揺らぐほどのものではありませんでした。

受験勉強のために学習塾に入り、自分よりはるかに勉強ができる人間の存在を知りました。軽く打ちのめされることもありましたが、「勉強は得意分野である」「自分は勉強すればもっと成績が上がる」という自信があったため、折れることはありませんでした。模試ではずっとD判定でしたが、根拠のない自信は揺るぎませんでした。結果、第一志望の東京大学に合格しました。他に受けた大学にも落ちませんでした。

東大に入って、勉強へのやる気は徐々に失われていきました。サークルが楽しくなり、勉強はそこそこでいいやという気持ちが強くなりました。実際、そこそこはできていました。中の下とか下の上とかそれくらい。やる気を失った自分にとって、これくらいならまあいいかという位置でした。進振りでは本来行きたかった学科には届きませんでしたが、妥協範囲の学科になんとか進学しました。学科でもギリギリ許容範囲の低空飛行を続けて4年生になり、研究室に配属されました。

 

ところが、ここで挫折しました。

 

研究というものが向いていないようでした。

 

研究は「学生の本分」の一つですが、勉強とは明確に異なります。与えられたものをこなしているだけではダメだという点においてです。

勉強というものは、極端な話、試験さえ及第点ならばとりあえずよしとされます。授業を聞いてノートを取るにせよ、過去問だけ対策してその場をやり過ごすにせよ、与えられた知識を頭に入れるだけです。怠惰な自分は場当たり的な試験勉強だけで乗り切り続けてきましたが、これはあまり苦ではありませんでした。

一方、研究では自ら考えて価値を生み出すことが求められます。過去の研究を調べ、自分だけの研究テーマを見つける。研究を進め、新手法を提案する。いずれの工程でも、クリエイティブな頭の働きと背景となる知識が必要になります。

このどちらも、僕にはありませんでした。

研究テーマを決めることすらままならず、先生や先輩の助けを借りてテーマをある程度決めても、背景が身についていない自分には何をしていいのかわかりませんでした。やがて、サークル活動が佳境に差し掛かることを理由に、研究室からは足が遠のくようになりました。

それでもどうにかこうにか卒論を完成させ、内容には眉をひそめられながらも、卒業にはこぎつけました。卒業研究は一般的には「優」以上がつくものですが、僕の成績は「良」でした。

こんなに研究に苦しめられたのにも関わらず、僕は大学院に進学しました。大学院でしかできない、やりたい研究があるからでした。始末に負えないことに、空っぽなやる気だけはあるのでした。やる気とプライドの区別がついていないだけなのかもしれません。

やはりというか、大学院でも事態は好転しないのでした。学部4年生の1年間ですっかり研究がイヤになっていた自分は有能な先輩方や活気ある同期には馴染めず、自宅から研究室への遠さもあり、早々に研究室へ行くのが億劫になりました。そして、10月から完全に不登校期間に入ってしまいました。

きっかけは2つ。このままじゃまずいという思いから研究室の近くで一人暮らしを始めたことが裏目に出たこと。不登校直前に学部時代の研究内容を発表する機会があり、研究室メンバー全員から白い目で見られたこと。

一人暮らしの部屋に引きこもり、12月になりました。12月中旬には輪講発表。いよいよ時間的に追い詰められ、一念発起して準備を始めました。が、長くは続かず、結局発表は延期。研究から逃げ続けた僕には、直前の1週間で頑張ることもできなくおり、発表からも逃げてしまいました。

その後、研究室にも大学にも行くことができないまま3月になり、留年が決定。

留年が決まってから、気持ちを切り替えて頑張ってきたつもりでした。新年度から研究室に顔を出せるようになり、延期した輪講発表への準備も進めていました。

 

しかし、僕はまた逃げてしまいました。

 

つい昨日、発表の予定でした。しかし、またしても発表はできませんでした。風邪をひいて数日休んだのをきっかけに、厳しいスケジュールで頑張る気力が湧かず、またしても踏ん張れずに逃げ出しました。

 

 

この無駄に長い記事で最後に書きたいことは3つ。

一度逃げると逃げグセがついてしまうということ。踏ん張るべきところで踏ん張れなくなります。今回だって、風邪が治ってから本気で準備すれば、どうにか間に合わせることくらいはできたはずです。

何ヶ月も引きこもり生活を送ると、あらゆる能力が落ちてしまうということ。特に集中力と、やる気を出す能力。社会復帰してからも、思うように作業が進まず、まるでリハビリ期間のようでした。

改めて頑張ろうという決意。逃げてしまいましたが、またチャンスはもらえるようです。本当にありがたいことです。リハビリは辛いけど、ここでまた研究から逃げるようでは去年度の二の舞。ちゃんとやり直せ。

 

自分のための記事でした。